電子工作プチコラム
電子工作小ネタやプチ電子工作などを軽く紹介する不定期日記のようなものです。
狭い世界の話題を広く浅く!何のこちゃ?
ビックス社製USBオーディオキット(PCM2704使用)を作ってみた
2011/8/9
超安価でそこそこ音質もいいとされているTI製(元BB製)USB DAC(D/Aコンバータ)IC PCM2704を使いたくてネットで調べていたら、株式会社ビックスというとこから部品と基板込みで2625円という格安キットが販売されているのを発見。思わず購入してしまった。ピッチ変換基板も必要ないし、何も考えずに簡単に出来そうな感じだ。
届いたキットはこんな感じ。
親切丁寧な組立説明書とドライバインストールマニュアル(特に見ことはないが)が付属している。しかしながら何故か肝心の回路図がどこにも無い。分かりきっていることばかり延々と解説されているが肝心なことが書いていない。
とりあえず仕方ないので音質に大きく影響するアナログ部分だけ基板からコネクションをトレースした。
上記コネクションが見辛い場合はこちらのPDF版をどうぞ
これはあくまでもアナログ回路部分だけ。
デジタル部はTI(BB)から出されているPCM2704のデータシートに記載のリファレンス回路を参照されたし。
ビックス社の回路で特徴的なのはPCM2704の出力をダイレクトに(コンデンサカップリング無しに)オペアンプによる非反転増幅回路に入力していることだ。これにより単電源駆動のオペアンプの中点電位をうまく得ている。つまり、PCM2704の出力ラインのDCバイアス(オフセット電圧)1.7Vに1.47倍のゲインを与えて出力DCオフセット電圧(中点電位)2.5V(電源電圧の1/2)を得ている。こうすることによりオペアンプ入力部のカップリングコンデンサを省略(つまりダイレクト接続)でき、かつ回路をシンプルに(部品点数を削減)できる。素晴らしいと思う。デメリットとしてはアンプのゲインを自由に変えれない(1.47倍固定)ことだ。
とりあえず出力のカップリングコンデンサの電界コンデンサC14,C15をフィルムコンデンサに変更。その他アナログ系に用いられているコンデンサをフィルムやタンタルに変更。そしてアルミケースにケーシングして完成。
結構いい。少なくともノートPC内蔵サウンド回路よりずっといい。透明感と明瞭感が増えた感じ。
安価なDACの割にそこそこいい感じだと思う。
水晶振動子を高精度オシレータに変更しようと思っていたが、とりあえずは、これでよしとしよう。
このIC、サンプリングレート最大48KHzまでなので、用途によっては要注意。
参考サイトと参考データ
VICS株式会社ビックス TI/BB PCM2704使用のUSBオーディオキット
TI/BB PCM2704 DATA SHEET
電子レンジでちょと遊ぶ
2011/8/5
とうとう長年お世話になった電子レンジが壊れた。
今までの故障はスイッチとかコネクタの接触不良というような枝葉部分の不具合だったが、今回はどうも電子レンジの根幹であるマグネトロンがおかしいような気配だ。電圧は掛かっているのに発振していないような感じ。
そこでマグネトロンを外部電源を用いて動かす実験をした。
ヒーターは元々のトランスを用いて発熱させ、昇圧回路は使わず高電圧直流安定化電源器を用いて、外部から直接マグネトロンに加速電圧を与える。そうすることにより簡単に自由に加速電圧を変えれるし電流を知ることができるし、色々遊べそうだ。
実験コネクションはこんな感じ。
まずはヒータを通電し、そして加速電圧をどんどん大きくして行った。スペックの2KVまで上げたが、ぜんぜん発振していない様子。電流が殆ど流れない(2mA程度は流れている)。さらに電圧をこの電源器の最大電圧である3KVまで上げたが、やはり電流が流れない。
う‾ん。どうやらマグネトロンが根本的に破損しているようだ。
初めてのマグネトロン分解遊びに突入かな 。
続きは下記の分解ネタで。
電子レンジの心臓部であるマグネトロンの分解
電流駆動アンプで音楽を聴いてみる実験
2011/1/23
世の中の殆ど全てのオーディオアンプは、音楽信号を電圧として出力し、スピーカーに印加する。そして、その印加電圧をスピーカーのインピーダンスで除算した電流が、その瞬時にスピーカーに流れ、その電流によって生じるローレンツ力により振動板(コーン紙)を振動させ、音を出している訳だ。
このスピーカーのインピーダンスが常に一定なら、電圧でドライブしても電流でドライブしても結果は全く同じだ。ところが、スピーカーのインピーダンスは全然一定ではなく周波数その他によって大きく変わる。つまり、電圧でドライブした場合と電流でドライブした場合いとではスピーカーの動作状態が異なり、再生される音楽の雰囲気がだいぶん違うはずだ。
そこで今回、普段聴くことが無い、完全に音楽信号に基づく(比例した)電流をスピーカーに流して音楽を視聴してみた。言い方を変えると、電圧電流変換回路を用いてスピーカーを駆動したのだ。
ソースはiPodを用いた。
やっぱり通常の電圧駆動の場合と何だか音が違う。
話が長くなりそうなので、この駆動回路の詳細や視聴結果は別途まとめようと思う。
簡単プリアンプ兼ヘッドホーンアンプ
2010/12/14
手持ちの部品と使い古したアルミケースを用いた簡単工作。
中古ケースなのでアクリルラッカーでカラーリングした。不要な穴は適当なネジでごまかす。
縦置きも横置きも可能なデザインで、ミキシング機能付き。
中身はこんな感じ。
回路は前に作った基板をベースにした。簡単なOPアンプのパラレルバファ構成。余計なTRバファ回路等を付加していないのいのでOPアンプの聴き比べにも都合がいい。
地味な作業
2010/10/13
ひたすら抵抗器の抵抗値を測定。
そして測定値の近いものをグルーピングする。という地味な作業。
多くの電子回路では使う電子部品(特に抵抗器)の絶対精度よりも、むしろ相対精度(相対誤差)が重要な場合が多い。特に、今回作製するインスツルメンテーションアンプ(計装増幅回路)では抵抗の相対誤差がCMR(同相信号抑圧)能力に支配的影響を及ぼす。
そこで1%抵抗器を測定し選出してペアリングすることにより相対誤差0.1%以内を実現するのだ。
測定器用キャスター付き台車を1000円ちょとで作製
2010/9/7
材料は15mm厚のMDF材。
ホームセンターのカットサービスでカットしてもらう。
1カット30円で誤差1mm以下で完璧なカットをしてくれる。本当に有り難いサービスだ。
蝶番(ちょうつがい)とダイソーで購入したキャスターを取り付けてペイントすれば出来上がり。
角度(高さ)4段階可変で、折りたたみも可能という優れたデザインだと自分では思う。
測定器を置いてみるとこんな感じ。思っていたより安定感がある。
測定器って結構デカイ。
これをデスクに全部並べると邪魔だし作業エリアが狭くなる。
そこで、オシロやマルチメーター等の使用頻度の高い機材だけをデスクに常設し、あとは、キャスター台に乗せて置いて、デスクの下や納戸に閉まっておく。必要な時だけ必要な機材を 引っぱり出して使う。
これがスマートな実験スタイルだと思う。
追記
木工工作やDIY関連を下記にまとめてみました。
私的画像館・プチDIY写真館
熱収縮チューブでケーシング(その2)
2010/8/13
まずは、不要な水性ペンを分解して、外側のプラスチックボディーを適当な長さに切断。