ABCDEFG・大人の電子工作・電子工作プチコラム
電子工作プチコラム
電子工作小ネタやプチ電子工作などを軽く紹介する不定期日記のようなものです。
狭い世界の話題を広く浅く!何のこちゃ?
ビックス社製USBオーディオキット(PCM2704使用)を作ってみた
2011/8/9
超安価でそこそこ音質もいいとされているTI製(元BB製)USB DAC(D/Aコンバータ)IC PCM2704を使いたくてネットで調べていたら、株式会社ビックスというとこから部品と基板込みで2625円という格安キットが販売されているのを発見。思わず購入してしまった。ピッチ変換基板も必要ないし、何も考えずに簡単に出来そうな感じだ。
届いたキットはこんな感じ。
親切丁寧な組立説明書とドライバインストールマニュアル(特に見ことはないが)が付属している。しかしながら何故か肝心の回路図がどこにも無い。分かりきっていることばかり延々と解説されているが肝心なことが書いていない。
とりあえず仕方ないので音質に大きく影響するアナログ部分だけ基板からコネクションをトレースした。
上記コネクションが見辛い場合はこちらのPDF版をどうぞ
これはあくまでもアナログ回路部分だけ。
デジタル部はTI(BB)から出されているPCM2704のデータシートに記載のリファレンス回路を参照されたし。
ビックス社の回路で特徴的なのはPCM2704の出力をダイレクトに(コンデンサカップリング無しに)オペアンプによる非反転増幅回路に入力していることだ。これにより単電源駆動のオペアンプの中点電位をうまく得ている。つまり、PCM2704の出力ラインのDCバイアス(オフセット電圧)1.7Vに1.47倍のゲインを与えて出力DCオフセット電圧(中点電位)2.5V(電源電圧の1/2)を得ている。こうすることによりオペアンプ入力部のカップリングコンデンサを省略(つまりダイレクト接続)でき、かつ回路をシンプルに(部品点数を削減)できる。素晴らしいと思う。デメリットとしてはアンプのゲインを自由に変えれない(1.47倍固定)ことだ。
とりあえず出力のカップリングコンデンサの電界コンデンサC14,C15をフィルムコンデンサに変更。その他アナログ系に用いられているコンデンサをフィルムやタンタルに変更。そしてアルミケースにケーシングして完成。
結構いい。少なくともノートPC内蔵サウンド回路よりずっといい。透明感と明瞭感が増えた感じ。
安価なDACの割にそこそこいい感じだと思う。
水晶振動子を高精度オシレータに変更しようと思っていたが、とりあえずは、これでよしとしよう。
このIC、サンプリングレート最大48KHzまでなので、用途によっては要注意。
参考サイトと参考データ
VICS株式会社ビックス TI/BB PCM2704使用のUSBオーディオキット
TI/BB PCM2704 DATA SHEET
電子レンジでちょと遊ぶ
2011/8/5
とうとう長年お世話になった電子レンジが壊れた。
今までの故障はスイッチとかコネクタの接触不良というような枝葉部分の不具合だったが、今回はどうも電子レンジの根幹であるマグネトロンがおかしいような気配だ。電圧は掛かっているのに発振していないような感じ。
そこでマグネトロンを外部電源を用いて動かす実験をした。
ヒーターは元々のトランスを用いて発熱させ、昇圧回路は使わず高電圧直流安定化電源器を用いて、外部から直接マグネトロンに加速電圧を与える。そうすることにより簡単に自由に加速電圧を変えれるし電流を知ることができるし、色々遊べそうだ。
実験コネクションはこんな感じ。
まずはヒータを通電し、そして加速電圧をどんどん大きくして行った。スペックの2KVまで上げたが、ぜんぜん発振していない様子。電流が殆ど流れない(2mA程度は流れている)。さらに電圧をこの電源器の最大電圧である3KVまで上げたが、やはり電流が流れない。
う‾ん。どうやらマグネトロンが根本的に破損しているようだ。
初めてのマグネトロン分解遊びに突入かな 。
続きは下記の分解ネタで。
電子レンジの心臓部であるマグネトロンの分解
電流駆動アンプで音楽を聴いてみる実験
2011/1/23
世の中の殆ど全てのオーディオアンプは、音楽信号を電圧として出力し、スピーカーに印加する。そして、その印加電圧をスピーカーのインピーダンスで除算した電流が、その瞬時にスピーカーに流れ、その電流によって生じるローレンツ力により振動板(コーン紙)を振動させ、音を出している訳だ。
このスピーカーのインピーダンスが常に一定なら、電圧でドライブしても電流でドライブしても結果は全く同じだ。ところが、スピーカーのインピーダンスは全然一定ではなく周波数その他によって大きく変わる。つまり、電圧でドライブした場合と電流でドライブした場合いとではスピーカーの動作状態が異なり、再生される音楽の雰囲気がだいぶん違うはずだ。
そこで今回、普段聴くことが無い、完全に音楽信号に基づく(比例した)電流をスピーカーに流して音楽を視聴してみた。言い方を変えると、電圧電流変換回路を用いてスピーカーを駆動したのだ。
ソースはiPodを用いた。
やっぱり通常の電圧駆動の場合と何だか音が違う。
話が長くなりそうなので、この駆動回路の詳細や視聴結果は別途まとめようと思う。
簡単プリアンプ兼ヘッドホーンアンプ
2010/12/14
手持ちの部品と使い古したアルミケースを用いた簡単工作。
中古ケースなのでアクリルラッカーでカラーリングした。不要な穴は適当なネジでごまかす。
縦置きも横置きも可能なデザインで、ミキシング機能付き。
中身はこんな感じ。
回路は前に作った基板をベースにした。簡単なOPアンプのパラレルバファ構成。余計なTRバファ回路等を付加していないのいのでOPアンプの聴き比べにも都合がいい。
地味な作業
2010/10/13
ひたすら抵抗器の抵抗値を測定。
そして測定値の近いものをグルーピングする。という地味な作業。
多くの電子回路では使う電子部品(特に抵抗器)の絶対精度よりも、むしろ相対精度(相対誤差)が重要な場合が多い。特に、今回作製するインスツルメンテーションアンプ(計装増幅回路)では抵抗の相対誤差がCMR(同相信号抑圧)能力に支配的影響を及ぼす。
そこで1%抵抗器を測定し選出してペアリングすることにより相対誤差0.1%以内を実現するのだ。
測定器用キャスター付き台車を1000円ちょとで作製
2010/9/7
材料は15mm厚のMDF材。
ホームセンターのカットサービスでカットしてもらう。
1カット30円で誤差1mm以下で完璧なカットをしてくれる。本当に有り難いサービスだ。
蝶番(ちょうつがい)とダイソーで購入したキャスターを取り付けてペイントすれば出来上がり。
角度(高さ)4段階可変で、折りたたみも可能という優れたデザインだと自分では思う。
測定器を置いてみるとこんな感じ。思っていたより安定感がある。
測定器って結構デカイ。
これをデスクに全部並べると邪魔だし作業エリアが狭くなる。
そこで、オシロやマルチメーター等の使用頻度の高い機材だけをデスクに常設し、あとは、キャスター台に乗せて置いて、デスクの下や納戸に閉まっておく。必要な時だけ必要な機材を 引っぱり出して使う。
これがスマートな実験スタイルだと思う。
追記
木工工作やDIY関連を下記にまとめてみました。
私的画像館・プチDIY写真館
熱収縮チューブでケーシング(その2)
2010/8/13
まずは、不要な水性ペンを分解して、外側のプラスチックボディーを適当な長さに切断。
トップ·エル·ドラッグスター
そして、その切断したプラスチックリングを部品保護用として同軸ケーブルに通す。
そして、太い熱収縮チューブを被せて加熱すれば出来上がり。
これ、何かというと、クッリプ付き50Ωの終端ケーブル。
パルスジェネレータ等の出力(出力インピーダンス50Ω)から信号を取り出すとき、低い周波数の場合は特に気にしなくてもいいが、周波数が高い場合や、パルスの立上げ(立下げ)速度や、そのリンキングが問題となる場合など、出力インピーダンスとケーブル(同軸線路)のインピーダンスと負荷のインピーダンスとをマッチングする必要がある。また、パルスジェネレータの電圧設定値は50Ω負荷(終端)を想定された値なので、無負荷 (高インピーダンス負荷)だと、設定値の倍の電圧が出力されてしまう。50Ω抵抗を出力とGND間に入れると解消するが、いちいち面倒だ。
そこで、予め同軸ケーブルの終端に50Ω抵抗器を接続し、ミノムシクリップをつけて置けば便利なのだ。ターゲットが高インピーダンスの場合で、周波数が数MHz程度までの実験なら、そこそこ便利に使える。
補足
一般の家電品屋さんで販売されている同軸ケーブル(一般アンテナ用)は特性インピーダンス75Ωです。
電子計測機の入出力端子(BNCなど)のインピーダンスは多くの場合50Ωですので、同軸ケーブルの選定には注意が必要です。(同軸ケーブルを単なるシールドケーブルとして使用している場合など、気にしなくていい用途には、ケーブルのインピーダンスなんて全く気にしなくていいが。)
ちなみに3D-2VやRG-58などの型番がよくある50Ωの同軸ケーブルです。
熱収縮チューブでケーシングという発想
2010/7/25
出来るだけスリムに作った基板。
なぜ?スリムに作る必要があるのかって?
それは、こうやって熱収縮チューブかぶせるため。
配線むき出しの部分はいちおうシリコーンボンドで固めて、熱収縮チューブかぶせて、
ドライヤーで熱風を吹き付けて収縮させるだけで完成!
つまり。
操作部も表示部も無い小さな回路に、わざわざ小型ケースを買うのは勿体ない、百均のタッパーというのは素人丸出しでやるせない、こんなことに手間も掛けたくない・・
そう思ってしまった時、大きなサイズの熱収縮チューブ(出来るだけ厚手のやつ)をケース代わりに使うのです。
補足
必要ならばチューブを重ね使いすると更に強度が増すよ。
熱収縮させてから、再度同じサイズ(無理なら大きめ)のチューブを被せて、また熱収縮させると強さ倍増。
20年以上愛用している自作電源器のメンテナンス
2010/7/20
もう20年以上前に作製した実験用の直流安定化電源器。
オペアンプ等のアナログ回路をプラス/マイナスの両電源で駆動できるように±9〜±18Vのトラッキング電源回路とデジタル回路用に5V電源回路(いわゆ三端子電源ICを使用)を持っている。そして、おまけに背面には非安定の24Vも出力できるマルチ出力の実験用直流安定化電源装置だ。電流容量は各0.5A程度と少ないが、ちょっとした簡単な電子回路実験には重宝するのだ。
今日、久しぶりにメンテナンスをしたのだ。
メンテナンスといっても経年劣化した電解コンデンサを新品に取り替えただけ。
これで、リプルも元通りに小さくなった。
新品同様に変身したわけだ。
自作の電源器や測定器のメリットは、なんと言っても、メンテナンスや修理を自� �で出来ることだ。
部品が入手(または置換)できる限り修理可能なので半永久定期に愛用できるという寸法だ。
オシロの画像をRS232Cで転送
2010/6/23
オシロ(オシロスコープ)で測定した波形を資料とかに使う場合、いちいちFD(フロッピディスク)に保存してPCで読み取るという方法でずっとやっていたが、オシロの設定画面をクチャクチャいじっていると、画像の出力先としてRS232Cを設定できることが分かった。これは、もしやして?232Cを使えば、カチャカチャFDを介さずともダイレクトにPCに転送できるのでは?と今更ながら思いついてしまったのだ。
RS232Cなら、なんか適当にやったら出来そうな気配がする。
少なくともGPIBに比べたら敷居が随分と低い。
ケーブルも安いし。
そこで、さっそく近所のPCショップでRS232Cクロスケーブルを購入
そして、僕の愛機のテクトロのデジタルオシロとPCとを購入したばかりのRS232Cクロスケーブルで接続。
PCの通信� ��フトは、とりあえずフリーのTeraTarmを利用。
通信速度や、その他パラメータを両者で合わせて、測定画像を転送!
う〜ん。いちおう通信らしきものは出来てるが、何が何なのか全然分からない。
だいたい僕は232Cでバイナリ通信やったことないし。
これは勉強しなければ・・と、ネットでいろいろ検索調査。
すると、テクトロ(テクトロニクス社)のデジタルオシロの画像を転送しBMPとして再現してくれる超〜便利なソフトを発見!しかもフリーソフト(無料)だ。
これが、それだ。
TekScope HardCopy Reader
さっそく使ってみた。
面白い程簡単に、画像を取り込むことが出来た。
38400bpsでも何の問題も無く安定して取り込めた。
このソフトで、簡単なオシロの設定ができ、計測中であっても、ソフトの取り込みボタンを押すと、その瞬間の波形画像を取り込むことが出来る。
これで、なんとも超〜便利になった。
ありがたい、ありがたい。
補足
市販のUSB-RS232C変換ケーブル(Prolific社のPL2303を使用したやつ)を用いても問題なく転送できた。ただし、このソフトはポート番号COM1〜COM4までしか設定できない、だから、USB-RS232Cポート用に生成される仮想COMポート番号が、この範囲を超える場合、手動で変更する必要がある。
とても古い充電式電気ドリルだけど現役だよ
2010/5/28
松下電工製の充電式電気ドリル。
もう20年以上愛用している。(右側写真はその専用電池パック)
もちろん電池はとっくの昔ダメになってしまっていて交換電池パックも入手できない。
では、どうして今でも使えるのか?というと
電池パックの電池を無理矢理に市販の充電式(単三NiCdやNiH)に取り替えているからだ。
これが元々の電池パックの中身。
変なサイズのNiCd電池が6本直列(1.2V×6=7.2V)になっている。
この電池を安価で入手しやすい単三(AA)サイズのNiCdまたはNiHと交換するのだ。
大電流用途にはNiCdの方が向いている(内部抵抗が小さい)と文献にあったので、とりあえず通販でNiCdを購入した。それを直ハンダ付けして直列接続。下写真のようにとても都合よくケースにマウントできた� ��
結構大電流が流れるので細い線はNGだ。隙間はクッション材でうめる。(上右写真)
実際使ってみると、元の電池に比べると最大トルクは多少減ったが、趣味程度の実用には問題ない。
ずいぶん軽くなって使い易い。
充電について
電池の容量が変わってしまうので元々の充電器はそのままでは使えない。充電電流値を変更(改造)するか、別途自作する必要がある。自作といっても急速充電をしなければNiCdやNiHの充電はとても簡単で、適当に電流制限して0.1C程度でのんびり充電すれば安全で長持ちする。
電池について
モノの本には大電流用途には内部抵抗が小さいNiCdの方が適していると書いてあるが、色々試してみると、やはり、開発改良の進展が無いNiCd(ニッケルカドニウム電池)より今時のNiH(ニッケル水素電池)の方が電池容量はもとより内部抵抗も改良されているようだ。で、結局は国産の2000mAh程度のニッケル水素電池がいちばん使いよい。あまり高容量になるとクセがあるようで逆に使いにくい。(最適充電制御が必要なのかも知れない)
トラックの荷台のへこみを修復する方法
ずっと戦えるエヴァバージョン
もう1つ電池パックがあるので、これは電池を内蔵せずにコードを接続して外部のDC電源で使えるようにした。
電池パックがたんなるコンセントになったのだ。
電池残量を気にせずに使える。
外部からのエネルギー供給で、S2機関のないエヴァな感じだ。
DC電源は使わなくなったパソコンのスッチング電源(5V)が使える。電圧は少し低い(回転数がちょっと低い小さい)が、電流がたくさん流せるのでトルクフルなええ感じだ。
さらなるバージョンも検討中
実は、更なる進化バージョンも検討中なのです。
それは、この電池パック内にスイツチング電源を内蔵し家のコンセントで気軽に使えるもの。でも、それではありきたりなんで、パック内に更にスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)も内蔵し、一時的なコードレス使用、高トルク、高速充電を可能とするもの。でも、スーパーキャパシタが意外に高価なのでちょっと停滞中。
工作室の電源を強化
2010/4/7
壁のコンセントから取っていた工作室の電源をエアコン用コンセントから取るように変更した。
理由はエアコン用のコンセントは単独ブレーカー(20A)で、かつGND端子があるからだ。
エアコン用コンセントから極太ケーブルで取り出す。
電流計&フューズ付きスイッチボックスを介してGND端子付き3Pコンセントへ配電。
これが、工作室のベンチ(デスク)の下にある3Pコンセント。
これで、気兼ねなく電流をガツンと取り出せるのだ。
しかもGNDもつながって、3Pコンセントの3つ目の穴ポコが意味を成す。
超簡単!USB連動の省エネスイッチを作る
2010/1/22
前回に引き続きUSBネタ。今回は、たんにUSBの電源を用いただけの超簡単工作。
パソコンの電源に連動して、周辺機器もオンオフしようというの。
昔々のパソコンには付いていたサービスコンセントというやつを実現するのだ。
これで、パソコンを使用していない時でも消費している周辺機器の待機電力をカットできる。
原理は簡単。パソコンのUSBから出力されているVCC(5V電源)を用いて小型リレーをドライブする。
そのリレーでAC100Vをオンオフするだけなのだ。だから、もちろんパソコンに専用ドライバー等をインストールする必要は全くない。お手軽に工作できて、お手軽に使えるのだ。
回路図という程のものではないけど、いちおう回路図です。
パソコン周辺機器には大電力使うものあまり無さそうなので小型リレー(接点容量2A)を用いてUSBのVCCでダイレクトに駆動。今回は、手持ちの余剰パーツがあったので、ほぼタダでできた。
妻のパソコン用に同じようなものを追工作。
コンセントはケース取り付けタイプではなくコード直だし式にした。
ついでにLEDによるパイロットランプも追加した。
参考資料:USBのピンアサイン(ピン番号/信号名)
1:VCC(+5V)
2:DATA−
3:DATA+
4:GND
VCCから取り出せる規格上の最大電流は500mAです。
USBをもっとお手軽に!・・FT232RLというIC
2009/12/29
自分の作った回路や工作品をパソコンでコントロールやモニタしようとすると今時ならUSBを使いたくなる。
ところが、USBを真正面から使おうとすると結構面倒くさい。
USBのプロトコルを勉強したり、パソコン側のドライバを作成したり、わざわざUSB対応のマイコンを用いたり・・
というような本質的ではないところに時間やエネルギーを費やすのもバカバカしい。
そんな時は横道を行く。
先人が作ってくれた横道を気軽に通り、汗かいて越える必要のない山をスルーするのだ。
つまり、出来合いのデバイスを用いてど〜でもいいところをパスするのだ。
その横道、いやデバイスがFTDI社のFT232RLというICだ。
このIC、簡単に言うと、厄介なUSBのやり取りを全て引き受けてくれて、従来のシリアル通信に変換してくれるのだ。前々から気になっていたデバイスだが、前に書いたArduinoというマイコンボードに使用されているのをみつけ、なんだか興味がピークに達した。そこで、忘年会ついでに大阪日本橋に立ち寄りデジットという電子パーツ店でこのデバイスとピッチ変換基板とUSBコネクタを購入したのだ。
で、さっそく、このICを用いてUSB-シリアル変換インターフェイスボードを作ってみた。こんな感じで、できるだけコンパクトに仕上げたつもり。
ついでに横から見るとこんな感じ。
シリアル側(ターゲット側)コネクタは裏表の両方につけた。表面のコネクタでリード線経由で接続してもいいし、下の写真のように、裏面のコネクタをターゲット基板にダイレクトに接続することも出来る。
簡単な動作確認をしてみる。
まず、パソコン側にはFTDI社から無償で配布されるドライバをインストールしておく。このドライバによりUSBを仮想COMポートとして扱うことができるのだ。つまりパソコン側のUSBドライバを手作りする必要が全くない。
次に、動作確認用に簡単なPICマイコンボードを作製し、SCIでYという文字を受信したらLEDをオンし、Nという文字を受信したらLEDをオフさせるプログラムを作る。このプログラムではUSBであることを一切意識する必要がない。あくまでも単純なSCI(シリアル通信)なのだ。
次に、パソコン側では適当なターミナルソフト(僕はフリーのTera Term Proを用いた)でターゲットをローカルCOMポートとして、マイコンボードのCSI設定に応じた通信速度などに設定し、パソコンのキーボドでY、Nのキーを押す。するとちゃんと、マイコンボードのLEDが、Yを押すとオン、Nを押すとオフする。面白いほど簡単にUSBでターゲットボードをコントロールできた。
FT232RLのデータシートやドライバなど全て下記FTDI社サイトにあります。
FTDI-FT232R-USB UART IC
ちなみに通販で買うなら秋月がいちばん安いようです。安価なピッチ変換基板もあります。
モジュールとしてのキットもあるのでこれがいちばんお手軽かも。
秋月電子通商USB・シリアル変換IC FT232RL
おまけ:今回作製したコネクション(らくがき)
(クリックすると大きな絵が開くよ)
Arduinoで遊んでみる
2009/12/24
ちょっと前に購入したArduino(アルデュイーノ)というイタリア生まれのマイコンボード。
手持ちの液晶表示パネルを繋いで簡単な固定メッセージを表示してみた。
このボード、面白いほど簡単に使える。
通常、新しいマイコン(マイクロプロセッサ)を使おうとすると、コンパイラや書き込ソフトやハードなどの開発ツールをセットアップして、そして、データーシートを舐めるように読んで、目的に応じて入出力ポートやタイマーや割り込みななどの諸所の設定をプログラミング上でやらなければならない。そんなこんなで、使えるまでの敷居が結構高い。
ところが、このArduinoは、その敷居が極めて低いのだ。
買ったその日からすぐにプログラミングに入れる。
煩雑な初期設定は不要で、コンテンツ(プログラムの中身)だけをCで記述(スケッチというらしい)すればOK。
しかもライブラリ(いろんな関数)が豊富。
もちろん全てフリーで使える。
もしArduinoにご興味あらば下記をご覧あれ!
スタパ齋藤のArduinoでマイコンしよう!!--まずはここから読むと入りやすい
Arduinoの公式ホームページ(残念ながら英文)
Arduino - Wikipedia
有志による日本語版リファレンスもあるよ
余ったMDF材で簡単実験用端子台
2009/12/10
昔、差込部の接触不良で難儀した経験があるからか、差込式のブレッドボードはあまり好きではない。
やはり、ハンダ付けが最も手軽で信頼性が高い接合方法だと思う。
で、僕は電子回路の試作は、いつもユニバーサル基板(ハンダ付け)を使う。
でも、ユニバーサル基板は、大型の部品や何度も付け替えする場合、ランドが剥がれたりして宜しくない。
U 95で日食をコンプレッサーを取るにはどうすればよい
そこで、大型部品でも気軽に、何度でも部品の付け替えができる簡単な実験用端子台を作製したのだ。
たんに、余りモノのMDF板に端子台を取り付けただけ。
住友3Mの銅箔テープを貼り付けてGNDパターンをつくる。
簡単に短くGNDに落とせるので都合いい。それにノイズ的にもよさ気な雰囲気になる。
銅箔テープは電子工作の必需アイテムと言える。
こんな感じ使う。(LC共振回路の実験)
小規模回路のちょっとした動作確認や実験に重宝する。
高出力の赤色レーザーダイオードを入手
2009/10/29
高出力のレーザーダイオードを入手した。
どのくらいの出力かというと、うまく放熱し制御すれば連続光で120mWの出力が出来るらしい。通常のレーザーポインターは1mW程度(高出力を謳っているものでも5mW以下)なので、随分と高出力なのだと思う。安全上の理由からか国内では容易には入手できないようなので海外サイトから購入した。
まあ何はともあれ、とりあえず発光させてみた。
素子単体のヒートシンク無しなので励起可能な最小電流50mAの定電流回路で駆動させた。
左写真はレーザー光。右写真は通常の高輝度赤色(参考まで)。
最小出力でも結構明るい。
写真では分かりにくいけど通常のLEDの光とは雰囲気がかなり違う。
紙などに照射すると異様にギラギラする。
これがコーヒレンシーな光というやつか。
紙の細かな凹凸に干渉しているのだろう。
それと、不思議な現象がある。
このギラギラを見ていると立体的に見えたり遠近感が麻痺したりする。
これがホログラフィーの原理なのかな??もしかして。
ちなみに、なんの目的で高出力レーザーダイオードを入手したかというと。
簡単なレーザー加工アート遊びをやりたいと思ったからだ。
XYプロッターを改造してヘッドの部分にレザーダイオードと集光レンズを取り付けてPCから制御して素材に焼き付けてアートを作製するお遊びだ。赤外レーザーの方が本当は向いているのかも知れないが、眼に見えない光だと面白味が無いので可視光にこだわったのだ。
あとは、コリメータレンズとポンコツのXYプロッターと保護メガネを入手する予定。
まあ、気長に探そう。
テクトロオシロのプローブ
2009/10/25
テクトロニクス(Tektronix)のオシロスコープのプローブに関するネタです。
愛用のテクトロのデジタルオシロのプローブの1つが僕の不注意から不良になった。テクトロ純正プローブの修理代はとても高い、新品購入したら尚更高いので、どうしても純正プローブを買う気がしない。そこで、結構評判のいいテクトロっぽいデザインのYPIOEERというノーブランドのプローブ(2本セット)を試しに購入したのだ。帯域は200MHzと狭くなるが、まあ、とりあえずの用途には基本的な問題はない。でも、下記のような気分的な問題が生じた。
テクトロのデジタルオシロは、純正プローブを用いると、そのプローブに応じたプローブ倍率が自動的に設定される。でも、他メーカー製のプローブを用いると、この機能が働かない。例えば他メーカーの10倍プローブを用いると、オシロの画面上のスケールやカーソル表示値や計算値は1倍プローブとして表示されてしまう。で、手動で設定しようとすれども・・何故かマニュアルでプローブ倍率を変更する手段がないのだ。なんでやねん!と言いたくなる。
でも。まあ、気を取り直して。オシロスコープとしての基本機能上の問題は無いのだ。ただ、やはり、全ての縦軸(電圧軸)表示値を頭で10倍する必要があり面倒だ。面倒というより、バッタ(ノーブランド)プローブを使用していることをオシロ本体からいつも指摘されているようで、何だか少し気分が悪い。
そこで、ノーブランドプローブでもテクトロ純正プローブの如く、表示値をプローブ倍率に設定させる手法を考えた。プローブを接続するBNCコネクターの外側のリング状の電極とGNDとの間に何かしらの小細工をすればよいのではと思ったのだ。で、下写真のような電極を作製(ゴム板の両側に銅電極を取り付けたもの)。
これをテクトロオシロのBNCコネクターのリング部分に挟み込んで、そのリング電極から出ている信号を別のチャネルで測定してみると・・たんに直流電位が検出されるだけだ。これ、もしかして、簡単に出来るかも。このリング電極とGND間に可変抵抗器を接続してみた。そして、抵抗値を変えると、予想通り、オシロ画面のプローブ倍率表示がちゃんと変わる。ちなみに抵抗値をおおよそ8kΩと15kΩの間でプローブ倍率表示が10倍になる。もっと小さくしていくと20倍、50倍、100倍と変わる。ある範囲を超えると全て1倍となるようだ。
今回購入したプローブは10倍なので、固定抵抗値10kΩ程度でよさそうだ。
これで気分よく、ちゃんとプローブ倍率にあった表示となるのだ。
あとは、見栄え良く10kΩの微小なチップ抵抗を埋め込めばよいだけだ。
めでたし、めでたし。
2SH21という型番の素子が不可解
2009/9/20
これまた、電子部品を整理していたら、昔の懐かしい部品が出てきた。
2SH21という東芝製のUJT(ユニジャンクショントランジスタ)という素子。
名前にトランジスタとあるがPNの単接合なのでダイードという方が正しいように思う。
この素子、その負性特性を用いて簡単に発振回路(鋸歯状波発振回路)が出来るところが面白いのだ。
で、せっかくだからデーターシートでもダウンロードしておこうと、2SH21で検索してみた。
すると不可解なことが分かった。
まったく同じ型番2SH21の日立製のIGBTという素子がある。
UJTとは似ても似つかないパワフルなパワーデバイスだ。
たしかに、UJTなんぞは淘汰されてしまった素子だろう。
だから、2SH〜の型番をIGBTに再割り当てしたのだろうと思う。
それはいい。
でも、なぜに重複させたんだ??ややこしいやんけ。
例えば、IGBTは2SH1000台から割り当てればいいのでは??
お役所(当時の通産省)は何してたんだ?
どうも不可解な出来事だ。
追記:マルちゃんさんから2SH21(もちろんUJT)のデータシートを頂きました。ありがとうございます。
2SJ21-UJTデータシート(PDF)
実験バラック基板はこんな感じで
実験用のバラック、特に何度も部品や配線を変更する必要がある場合は、スルーホール基板を用いての片面実装で片面配線がオススメ。つまり両面スルーホールユニバーサル基板の片面のみを使うのだ。
非スルーホール基板(片基板)では、ハンダのやり過ぎで、よくランド(ドーナツ状の銅パターン)が剥がれてしまう。部品を付け直しする度に、ランドが無くなって行くのは、非常に切ない。実験工作のモチベーションも低下してしまうのだ。
そこで、何度も、部品や配線を変更する必要がある実験工作の場合には、ちょっと高いけど、ガラエポ製の両面スルーホールド基板を用いるのです。そして表面のみの実装配線で、部品のリードは殆ど差し込まないで使う。いちいち裏を見る必要も無いし、まさにブレッド� ��ードな感じの使い方なのだ。
雷に備えて!
雷の季節だ。うちのマンションはよく雷が落ちる。
もちろん避雷針に落ちるが、大きな雷の場合、影響を受ける。
特にネットワーク系の機器が弱いので、手持ちのバリスターを用いて簡単雷対策グッズを作ってみた。
いちおうプラスチック(マイラー板)カバーもつけてみた。
これは、たまたま、ちょうど都合がよいバリスタが家にあったので作ったものです。
都合がよいバリスタはあまりご家庭に無いかもしれません。
やはり、市販の雷対策グッズを買う方が安価で安全で安心だと思います。
超簡単!電池放電器
ニッケル水素電池が、なんだか調子を崩したときには、いちど十分に放電してやれば回復する場合がある。
そこで最も簡単な電池放電器を作った。
回路は簡単ごらんの通り、ダイオード2個直列を介し、数Ωの抵抗で放電するだけ。
ダイオードの順方向ギャップ電位を用いて過放電を防止している。
パイロットランプ(残量インジケータ)として麦球をつけている。
電圧不足でLEDは残念ながら使えない。
同軸ケーブルマッチングアンプ
実験用バッファアンプ。
入力インピーダンスは1MΩで、出力インピーダンスは50Ωだ。
電圧利得は50Ω負荷のときに1(0dB)となる。
高入力インピーダンスの測定対象からの信号を特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルを介し、入力インピーダンス50Ωの測定器に信号伝達させるのに都合が良いのだ。
回路はアナデバの高速OPアンプとダイアモンドバファ回路から構成される。
電流出力アンプ
いろいろ面白く使える電流出力アンプ。
通常のアンプは電圧を出力する。つまり、負荷インピーダンス変化に対して電圧が一定だが、
このアンプは電流を出力する。つまり、負荷インピーダンス変化に対して電流が一定なのである。
詳細は別途記事に書く予定。
ブタの鼻のような端子ボックス
ブタの鼻のような端子ボックス。
結構可愛いデザインだと思う。
これ、実は単なる端子ボックス。
この実験用スイッチング式安定化電源装置はコンパクトながら最大60Aの大電流を出力できる。
ところが、前の端子からは安全上、20Aまでしか取り出せない(20Aでプロテクションが掛かる)。
それ以上の電流は後ろの端子から取り出すのだが、いちいち後ろにボルトで接続するのが面倒。
よって端子ボックスを作製したのだ。ブタの鼻みたいでデザインがキュートだと思う。それだけ。
オペアンプ試聴用ヘッドホーンアンプ
こらはオペアンプによる簡単ヘッドホーンアンプ。
TRによる出力段は設けず、オペアンプをパラレルにして出力電流をかせいでいる素朴な構成。
オペアンプの差し替えることにより音の違いを楽しめる。
概ねのコネクション(片チャネルのみ。電源等の細かいのは省略)
こんな感じで出力に緩衝用抵抗10Ω程度を介してOPをパラにするのだ。
ちなみに、OP2と同様にどんどんオペアンプを並列追加できるよ。
簡単に高品位の小型パワーアンプも実現可能!
miniminiアンプスピーカーボックス
電池で駆動するアンプスピーカーボックス。
超ミニミニギターアンプみたいで可愛いと思う。
実は、これ、信号を音として確認できる携帯用簡易測定器なのだ。
オシロなどの大げさな測定器が使えない状況や信号の有無を簡単に確認したい時などに重宝する。
もちろん可聴域のオーディーオ信号用だけど、入力部にダイオード検波回路も設けているので高周波回路の変調信号の確認も出来る。テスターでは発見できない異常発振も見つけられたりする。
NECのBTLパワーアンプIC uPC1230を用いた簡単ステレオパワーアンプ
もともとは、マルチアンプシステムの基礎実験用に作ったもので、できるだけ手間を掛けず簡単につくるため既製のICを用いた。東芝製やフィリップス製なども試作し試聴したが、結局、NECのuPC1230H2におちついた。
スタンドで縦置きにしてもいい感じ。
uPC1230H2データシート(概要)
ビデオ信号バッファ分配ボックス
ビデオ信号(NTSCコンポジット信号)を2つに分配するために作ったビデオ信号バッファ回路。
今回のバッファ回路はお手軽にJRC製のビデオアンプICを用いた。1パッケージに2ch入っているので都合いい。
ビデオ信号をパラに接続すれば、いくらでも分配できそうだけど、そうは行かない。どんどん画像が悪くなってしまう。ビデオ信号のような広帯域の信号の場合、インピーダンスをマッチングしなければ正しく伝達できないのだ。だから、出力インピーダンス75Ωの信号を75Ωで受けて、また出力インピーダンス75Ωの2つに同時分配するには必然的にバッファ回路が必要となる。ちなみにケーブルの伝達インピーダンスも75Ωに合わせる必要がある。
ビデオのコピーガード信号キャンセル装置
これは、だいぶん昔に作った、いわゆるビデオのコピーガードキャンセラーというやつだ。
回路は、怪しげな雑誌かなんかに載っていたものだと思う。
詳細は忘れてしまった。
ケースの塗装にやたら拘ったのだけは憶えている。
2種類のエアーブラシを駆使して岩っぽくしたのだ。
実験用電源スイッチボックス
これは、学生時代から愛用しているACコンセントボックス。
実験とかで電灯線(AC100V)をショートさせてしまうと結構迫力がある。
暫くの間、心臓がドキドキしてしまう。
そこで、小電流の高速溶断フューズ(3A)を通しておくとショートした時のドキドキが小さくてすむ。
スイッチでON/OFFが簡単に出来て便利。
スイッチは片切りではなく両切りだ。片切りだと、スイッチを切っていても感電することがあるのだ。
中が空っぽなのもなんなのでラインフィルタ(ノイズフィルタ)も入れている。
実験用パルスジェネレータ
これも学生時代にこしらえた実験用のパルスジェネレータ。
当時入手できる最高速のTTLIC(74Fシリーズ)で組んで、出来るだけパルスのエッジを急峻にした。
パルスジェネレータモード(自己発振)と同期出力モードの2モードある。同期出力モードでは外部からの信号(正弦波でも三角波でも何でもよい)に同期したパルスを出力できる。
今では、メーカー製のちゃんとしたファンクションジェネレータがあるので、この自作器は全く使っていない。だから、廃棄しようとも考えたのだが、長年愛用したので、どうも捨てられないのだ。
LANで遊ぼう
これは秋月電子のキット。PICNICという。
LANを介してPCからコントロールできるというのが面白くて一時ははまったが、今は全く使用していない。
なんか応用(実用)できたらいいのだが・・。
Z80CPUファミリー
電子部品を整理していたら、大昔のZ80CPUとその周辺LSIやメモリーがゴソゴソでてきた。
Z80とうのは僕が学生時代に一世を風靡した8bitCPUだ。
今時のパソコン用CPUと比較したら何桁も何桁も乏しい性能の品物。
でも、当時はこれに夢中になった。
なんとかブートプログラムを作成してCP/MというOSを起動させるだけでも大騒ぎだった。
ある意味、古き良き時代だったのかも知れない。
まあ、そんな懐古趣味はさておいて、これをどうしようかな。
今、これらを使う合理的意味は全く無い。
つまり、価値は無いだろう。
捨てるしかないか・・でも、もったいない気がする。
そうだ!全部まとめてヤフオクに出品してみよう!
で、上の写真を全て(Z80CPU、PIO、CTC、SRAM、DRAMなど)を100円開始で出品した。
結果・・合計で15,000円ほどで落札されていた。
ちょっとびっくり。
捨てようかな、と思っていたものが・・
ありがたい、ありがたい。
この世の中、ありがたいことでいっぱいだ。
0 comments:
Post a Comment