フリーハンドのマチエール: 2011 映画 マイ・ベスト10
★2011年(2011.1.1~2011.12.31)に劇場で観た映画の勝手気ままなベスト10です。
私の中で1位は確定でしたが、その他は毎回のことですが悩んだ末のベスト10ですが、
結果的に、意外とラストが悲壮でなく、明るいものが多くなったような気がします。
●マイ・べスト10
1.トスカーナの贋作 CERTFIED COPY
他人のような夫婦、夫婦のような他人・・・真贋は今でもわからない・・・。
2.人生、ここにあり! SI PUO FARE
所属労働組合から移動を命じられた熱血男の組合員が任されたのは、元精神病患者の協同組合だった。
彼らの独創的アイデアとセンスは常識では考えられないくらい洗練されている・・。彼らの普通とは違う能
力を生かせる労働の場が人を元気にしていく。最高にコミカルで勇気付けられる。やればできるさ!!
3.ミケランジェロの暗号 MEIN BESTER FEIND / MY BEST ENEMY
画商の家に代々伝わるミケランジェロの作品をめぐる画商とナチスの攻防。彼の奇想天外な発想と行動は
非常にコミカルでスリリングだ。観終わったあと、すごく爽快で痛快な気分になれる。ラストの画商のドヤ顔
がたまらなく最高。これに尽きる!!
4.ジュリエットからの手紙 LETTERS TO JULIET
イタリアの美しい風景、年月を経て人を慕い思う気持ち・・・歳月は人の姿を変えても心にある純粋な部分
はいつまでも色あせない・・・・。ウイットに富み、純粋な気気持ちになれ、心地よく幸せな気持ちになれる。
5.未来を生きる君たちへ HAEVEN / IN A BETTER WORLD
アフリカの難民キャンプで医師を続ける父。日常的に残忍な暴力を目にしている。デンマークにいる息子
は、学校でいじめに遭いながらも懸命に耐えている。暴力には暴力で立ち向かうべきなのか、理性で立ち
向かうべきなのか。子供の前での男の暴力に暴力ではなく凛とした理性で立ち向かい、暴力には暴力で
はないという人のあり方、理性を子供の良心に訴える。より良い未来へ生きていくための人の理として・・。
6.アリス・クリードの失踪 THE DISAPPERRANCE OF ALICE CREED
2人の犯罪者と1人の人質。登場人物はたった3人。場面転換もほとんどなし。言葉少なく淡々と犯行は
進行する。閉塞感の中、少しのほころびから、しだいにお互い誰を信じればいいのか、何が真実なのか
疑心暗鬼が芽生えてくる。愛憎と言葉・・・そして裏切り・・・・。妙なリズム感と緊張感が漂う。
7.ミッション:8ミニッツ SOURCE CODE
人には絶命前の8分の記憶が残存している。その意識から過去を疑似的に再現する・・・戦地で上半身だ
けになり植物人間のようになった兵士の意識が列車爆破テロで死んだ乗客の記憶の意識に入り込んで
列車爆破テロの犯人を探しに行く。予告されている第2のテロを未然に防ぐために。何度も何度も繰りされ
る最期の8分間。現実と過去を意識の中で繰り返す・・・最期には現実を覆す明るい希望が・・・・!!
8.フィフティ・フィフティ 50 / 50
突然、癌を宣告された青年。生きるか死ぬかはフィフティ・フィフティ。でも、現実を受け止め、悲壮感を漂わ
せず淡々と治療を受ける青年。やがて手術・・・。友情にささえられ、そして女性セラピストとのロマンス・・。
癌との戦いだけど、どこかコミカルでハートフル。ラストも希望が感じられ、いい深い余韻を残してくれる。
9.英国王のスピーチ THE KINGS SPEECH
リーダーたるもの、言葉が持つ力を自分の魅力にすること がとても大切であることを実感させられた。
10.ラブ・アゲイン CRAZY , STUPID , LOVE
浮気をした妻に突然、離婚を突き付けられた40代男の、魅力を取り戻すための、再びの自分磨き。
男の本質というか、魅力って何?。人の幸せとは物質的な豊かさではなく、愛情と信頼で結ばれた人間
関係だ、という使い古されたテーマが見え隠れするが、とても楽しく、愉快な気分になれる。
●特別賞
○メアリー&マックス MARY & MAX
オーストラリアに住む女の子とニューヨークに住む孤独な自閉症で肥満体のさみしい男との20年にわたる
文通を通した絆を描いた、クレイアニメ。人を受け入れることの難しさと拒絶することの容易さで揺れる続
ける。コミュニケーションの大切さ、難しさ。コミュニケーションを通して、地道に関わり続け関係を育むこと
の大切さ。そして、絆 が生まれることを教えてくれる。
●ワースト1
○ツリー・オブ・ライフ THE TREE OF LIFE
素晴らしい俳優を起用しながらもそれを生かし切れていない。意味不明な(言いたいことはわからんでも
ないが)環境ビデオのような映像が、永遠ダラダラと流れ退屈極まりなし!!
★2011年劇場で見た映画
○しあわせの雨傘 POTICHE
○愛する人 MOTHER AND CHILD
○ヒア・アフター HEARE AFTER
○トスカーナの贋作 CERTFIED COPY
○英国王のスピーチ THE KING'S SPEECH
○ザ・ファイター THE FIGHTER
○サムフェア SOMEWHERE
○神々と男たち DES HOMMES ET DES DIEUX / OF GODS AND MEN
○キッズ・オールライト THE KIDS ARE ALL RIGHT
○ブラック・スワン BLACK SWAN
○ジュリエットからの手紙 LETTERS TO JULIET
○メアリー&マックス MARY & MAX
○アリスクリードの失踪 THE DISAPPERRANCE OF ALICE CREED
○黄色い星の子供たち LA RAFLE / THE ROUNDUP
○大鹿村騒動記
○人生、ここにあり! SI PUO FARE
○ツリー・オブ・ライフ THE TREE OF LIFE
○未来を生きる君たちへ HAEVEN / IN A BETTER WORLD
○ミケンランジェロの暗号 MEIN BESTER FEIND / MY BEST ENEMY
○ゴーストライター THE GHOST WRITER
○ミッション:8ミニッツ SOURCE CODE
○カリーナの林檎~チェルノブイリの森
○フィフティ・フィフティ 50 / 50
○リアル・スティール REAL STEEL
○ラブ・アゲイン CRASY, STUPID, LOVE
○サルトルとボーヴォワール 哲学と愛 LES AMANTS DU FLORE
○恋の罪
○新少林寺 SHAOLIN
○マネーボール MONEY BALL
○ラブ&ドラッグ LOVE AND OTHER DRUGS
昨年、3.11に東日本大震災がありました。被災者の方はいまだ大変ご苦労をされています。犠牲者の方には、
心より哀悼の意をささげます。たしか、それはちょうど、ヒア・アフターが劇場で公開され上映されているときでした。
震災直後、ヒア・アフターが即、上映中止になりました。いまだになぜなのかわかりません。ニュースやワイドショー
では津波の悲惨な映像が四六時中放映されていました。この時の映画界は何を思って上映中止にしたのでしょう
か。ヒア・アフターには洪水のシーンがあります。それだけで、上映を中止にしたのでしょうか。戦争が起こると戦争
シーンがある映画は中止になるのでしょうか?悲惨で残忍な殺人があると殺人シーンのある映画は中止になるの
でしょうか。むしろ、逆で映画はそのことを改めて見つめ直し考える機会を与えてくれるものではないでしょうか。
いまだに、この時の映画界の対応がよくわかりません・・・・・。この際、再上映されたらいかがでしょうか・・・。
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